岡部伸「消えたヤルタ密約緊急電」
消えたヤルタ密約緊急電―情報士官・小野寺信の孤独な戦い (新潮選書)
- 作者: 岡部伸
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2012/08/01
- メディア: 単行本
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それにしてもここまで調べた筆者の執念?も凄いもの。この筆者の執念は、ジャンルは違えど下記の本の著者と同じ執念を感じますね。
- 作者: 増田俊也
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2011/09/30
- メディア: 単行本
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そして、やはりこのような情報を入手できたのは、小野寺情報士官の人柄とコミュニケーション力が大きいようだ。
小野寺は、人種、国境を超えて、さまざまな国の人たちと協力して貴重な情報活動に成功することになるのだが、「回想録」で、「情報活動で最も重要な要素の一つは、誠実な人間関係で結ばれた仲間と助力者を得ること。その点で、まことに幸運だった」と振り返り、「年齢、国境、人種を超えて信念で固く結ばれた人間関係は、この上もなく尊いものと思う」と記している。(p.213)
なぜ世界最高水準の機密情報が握りつぶされてしまったのかという話も非常に面白いが、なぜ、そしてどのようにしてこのような機密情報を得ることができたのかという観点で小野寺情報士官の人生ストーリーを読み進めると、別の観点で考えさせられるものがあった。
なお、この手の話であれば当然なのかもしれないが、解説は佐藤優氏が執筆されている。
(参考)新聞社の書評