富田一彦「試験勉強という名の知的冒険」
- 作者: 富田一彦
- 出版社/メーカー: 大和書房
- 発売日: 2012/04/16
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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もともと長文読解の英語を受講していた当時から、受験テクニックに限らない問題解法を教えていただいた(記憶がある)が、受験というものから少し離れた今、あらためて本書読み返し、そして当時授業で聞いたことなどを思い出したりして、やはり人生の様々なシーンで活用できる解決策のエッセンスが凝縮されたものだったなと思った。
本書は大きく二部構成となっており、
- 問題はどのようにしてできているか
- 有効かつ有意義な勉強法
に分けられている。
第一部では、問題には様々な雑音が入っており、その雑音をきちんと見つけ、雑音を取り除くための様々な解法(ここでは11個)が記載されている。
そして、第二部では勉強法全般について書かれているが、書かれている内容自体は今となっては目新しいものはないが、個人的にポイントだと思った観点の一つが「観察力」をいかに磨くかという点なのだろう。
本書で、観察力を高めるための手法として以下の3点があげられている。
- 目の前の現象を正直に見る
- 答えではなく、手がかりを探す
- ほかの何かを持ってきて比べる
一見当たり前なことが書かれているが、これがいかに多くの受験生ができていないのかを、具体的な問題、特に英語の問題を用いて、様々な事例をもとに説明されており、なるほどと考えさせられる点が多かった。
本書を通じて、あたかも目の前に受講しているかのような錯覚を覚えるほど、懐かしい?富田節がさまざまに出ていて、色々と懐かしさを覚えてしまった。高校生だった時の自分がどのように考えて授業を受けていたのか、そして10年たった今改めて本書を通じて受講し直して、今どう考えるのか。当時から理解できていたこともあれば、当時では理解できていなかったけど、今になってようやく理解できたこともあり、受験生時に代ゼミで富田英語を受講されていた人であれば、読む価値がある本ではないでしょうか。
どうも本書の続編も出版されているようで、こちらもまたいずれ手にとって読みたいと思う。
キミは何のために勉強するのか ~試験勉強という名の知的冒険2~
- 作者: 富田一彦
- 出版社/メーカー: 大和書房
- 発売日: 2012/07/25
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なお、英語勉強の思い出話として、代ゼミに通っていた頃は、特に英語を重点的に勉強していたこともあり、様々な英語の授業に顔を出していたが、個人的に自分に合ったのは、富田先生と、木原太郎先生で、木原先生も英語というよりも哲学的な話が随所に盛り込まれ、色々と学んだことを改めて思い出した。周りでは、西谷、西の二人が人気だったようで、何度か受講したものの、個人的には合わなかったなぁ。。。
代ゼミの教師紹介のHPに掲載されている両先生の一言メッセージも特徴がでていて、これも懐かしく感じる。。。
富田一彦
■ココを教えたい!
年間を通じて基本に徹底的にこだわる。基礎的な原則・知識を完璧に理解すれば、その理解に基づいて未知の事柄を確定していくことはできる、というのが私の信条であり、これはクラスのレベルによっても変わることはない。知識よりも論理的な思考力を重視する。
■君にメッセージ!
Ignorance is bliss. 確かに今の時代、無知は幸福への道だ。理屈はわからずともボタンを押せば勝手に機械は動き、生きていくのに不自由はない。疑問さえ持たなければ自らの置かれた隷属的立場に気づくことも、それに屈辱を感じることもない。まさに、「知らぬが仏」である。「知る」ということは、そのような幸福な隷属からの解放であり、幸福な無知を享受する人々との決別を意味する。君にその覚悟はあるのか。Yesならば、私は君を歓迎しよう。
木原太郎
■ココを教えたい!
予習段階での「わからない??」を教室に来たらすべて「わかった!!」に変えることが年間を通してのテーマ。講義はミクロの知識(語法と文法)からマクロのつかみ方(文章法)にいたるまで、様々な英語のルールを紹介しながら、西洋的思考法の解説、さらに問いの分析や推論の方法などを加えた知のワンダーランド。毎回90分では収まり切れない程、豊かなコスモスを提示する。是非大人の読み手に成長しよう。
■君にメッセージ!
生きる意味を問う―こう書くとずい分難しい話に聞こえるかもしれないけど、レベルの差はあってもみんな経験はあるはず。それはたいてい不安に襲われたときなんだ。模試の結果や好きな人からの返事。アルバイトの存続、友達との関係etc.・・・確かにこれはつらい。しかし同時に不安はそのことに積極的に自分が参加できることをも教えてくれる。否定と肯定、物事は常に多面的。だからいつもその両面を見つめる視野と勇気を持ってこの一年を過ごせるといいね。