坂口恭平「Tokyo0円ハウス0円生活」

TOKYO 0円ハウス 0円生活 (河出文庫)

TOKYO 0円ハウス 0円生活 (河出文庫)

噂に聞く坂口本で初めて読んだ本。まだ話題の新書は未読ですが・・・。本書は非常に不思議?な感覚を覚える本。路上生活者が暮らす0円ハウスを建築として捉えるという考え方はこれまで考えたことがなかった(そもそも本書にあるような多機能な家がある事自体しらなかった)が、このような視点のもとでここまで整理し、訴えることができるのかという点で新鮮な気分を覚えた。

僕がなりたいと思っていた職業は、現在考えられているような建築家という仕事ではないことがわかった。
それじゃあそれが一体何なのか。それを伝えるために、まずはこの本を提示してみたいと思う。僕たちはお金を稼いでデカイ家を建てることを夢見るのではなく、自分にしか作ることができない家に住んで、自分にしかできない生活の方法を見つけることを先ずはやらなくてはいけない。(p.269)

自分の生活の方法を見つけること、この点で本書は本質的な生き方の一面を0円ハウスを通して描いているのでしょう。色々と0円ハウスの写真やデザインなどもあり、非常に読みやすい本だと思います。話題の新書のほうも読んでみようかと。