宮部みゆき「ソロモンの偽証 第1部 事件」

1巻と2巻をまとめて買って、現在2巻の途中あたりを読んでいるところ。1巻あたり700ページもある大著なので最初はかなりの覚悟が必要だなと思ったものの、まったく中だるみもなくストーリーが展開されているため、1巻は事件編ということで全体のなかでの前フリにあたる部分であるものの、あっというまに読み終わってしまった。噂どおりの徹夜本ですね。

ソロモンの偽証 第I部 事件

ソロモンの偽証 第I部 事件

ストーリーは公式サイトにあるとおりで、中学校内のとある生徒の自殺問題に対して、クラスメイトたちが中学校内裁判を起こすというストーリーだが、それぞれの生徒が骨太なキャラクター設定で、中学生の心情もかなりリアルに描かれている。
公式サイトのインタビューでは、

この大胆な設定、何かに触発されたということは?
宮部 一九九〇年に神戸の高校で、遅刻しそうになって走って登校してきた女子生徒を、登校指導していた先生が門扉を閉めたことで挟んでしまい、その生徒が亡くなるという事件がありました。その後、この事件をどう受け止めるかというテーマで、校内で模擬裁判をやった学校があった。それがすごく印象に残っていたんです。

とあり、参考とした事例はあるようですが、いかにしてこのテーマに蹴りをつけるのか、第2巻、第3巻の展開が本当に楽しみですね。中だるみせず、このままの勢いでつっぱしって欲しい。

しかし、これだけの大著にもかかわらず話の展開にもほとんど違和感なく読み進められる小説というのもそうはないので、やはり宮部みゆきの凄さを改めて実感。実は宮部本は中学生の頃に「レベル7」や「火車」を読んだ記憶があるものの、それ以降読んでいなかったので。個人的には、同じ小学生〜中学生の頃にはまっていた宗田理の「ぼくらシリーズ」を彷彿とさせる学生達の奮闘劇に胸が熱くなりました。