城田真琴「ビッグデータの衝撃」
先日下記のニュースが話題になっていた。
「ヤフー、メール連動広告 事前同意で問題回避と判断 19日から」(日本経済新聞)
ヤフーはウェブメールサービス「ヤフー!メール」で、送受信したメールの文面に連動した新しい広告配信を19日から始める。同手法は総務省から、電気通信事業法で禁じる通信の秘密の侵害にあたる可能性を指摘されていた。ヤフーは利用者に広告表示の同意を事前にとる仕組みが整ったとして導入を決めた。
新手法「インタレストマッチ」では題名と本文を機械的に解析し、内容に関連が高い広告が表示されやすくなる。例えば、旅行に関する内容をやりとりしている人には旅行関連の広告が表示される。利用者に同意を事前に求めることや広告主側に個人情報がわたらない体制を整えた。ヤフーは「法的問題はないことを総務省側と確認した」としている。
ヤフーによるとヤフー!メール利用者(約1800万人)のうち「8月末現在で26万人が新広告配信を拒否する設定をしている」という。一方、米グーグルは日本で「Gメール」で同様の広告配信に乗り出している。
Gmailでは既に実施されているのに、日本のヤフーは通信の秘密にあたるからできないというのは不公平だということで、ヤフーも乗り出したのだろうが、第一印象としてはやはり抵抗感が与えてしまうだろう。ただ、8月末時点で26万人が拒否設定をしているとのことだが、まだ全利用者の1%程度なので、多くの人は同意しているのだろうか。
このようなレコメンドシステムの導入にあたり、個人的に関心があるのはやはり個人情報の取扱いに際し、現行の法制度の中どのように折り合いをつけるのかという点だ。先日下記の書籍を読み、ビッグデータの仕組みや技術、活用事例などを改めて読んで考えるきっかけとなった。
- 作者: 城田真琴
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2012/06/29
- メディア: 単行本
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第6章「ビッグデータ時代のプライバシー」の中で、米国、EU、そして日本の検討動向がかなり詳しく整理されている。まぁ、この本を手に取る人は制度面の話よりも技術面、活用例などに関心がある人が多いのだろうが、是非この章もしっかり読んだ上で、どのように活用していくのか検討していただきたいところ。
日本ではやはりカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)の動向が気になりますね。
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