孫崎享「戦後史の正体」
- 作者: 孫崎享
- 出版社/メーカー: 創元社
- 発売日: 2012/07/24
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日本外交 現場からの証言―握手と微笑とイエスでいいか (中公新書)
- 作者: 孫崎享
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- 発売日: 1993/06
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ただし、本書は色々と新聞等でも取り上げられているのを見て関心を持ち、久しぶりにじっくりと読んだ。
戦後の日本外交は、米国に対する「追随」路線と「自主」路線の戦いでした。
(中略)
米国からの圧力とそれへの抵抗を軸に戦後史を見ると、大きな歴史の流れが見えてきます。(p.6-14)
とし、本書も米国との関係性という観点から、日本の外交史を説明している。戦後の政治家や官僚等を、「対米追随」と「自主」に分類し、「自主」路線の政治家は結果的に排斥されているという説明は、確かにそのとおりで、興味深い指摘。
また、なぜこの観点からの研究がされていないのかという点については、以下の様な指摘をしている。
大量のアメリカ研究者が存在するわりに、「米国からの圧力」を研究して本に書く研究者が、他にほとんどいないのです。どうしてでしょう。
(中略)
私はあるとき、「外務省の官僚が従米になるのはわかる。でも学者がなぜもっと自主的な発言ができないのか」と述べたことがあります。するとある教授から、「われわれだって事情は同じです。留学したり、学会に出たり、米国大使館でのブリーフィングを聞いたり、米国に抵抗していいことはなにもありませんよ」と言われました。
私は現在の日本の米国研究者が、占領時代と同じ行動をとっているとまでいうつもりはありません。しかし、ひとつの組織が誕生時にもっていた性格は、修正するのがそう簡単でないことも事実です。(p.134-137)
色々とお世話になった人に対しては悪いことは言えないし、できない。そういった関係性は確かにあるだろうし、否定できないが、とはいえこれをそのまま受け入れてしまうのも悲しい。
色々と始めて知る事実もあり、大変面白く読んだが、構成の問題かもしれないが、脱線気味の話が要所要所に入っており、もう少しコンパクトにまとめられたのではないかという気もした。学術書としてではなくノンフィクションとして読んだほうがよいのかもしれない。もともと高校生でも分かるように、という出版社からの要望を受け書いたとも書かれているので。
なお、日本の戦後外交史の分野については、
- 作者: 五百旗頭真
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あと、こちらも最近文庫版が出ていたのを本屋で見つけましたが、こちらも名著。
- 作者: 中村隆英
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2012/07/27
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- 作者: 中村隆英
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2012/07/27
- メディア: 文庫
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