東大の坂村教授が指摘する日本企業に欠如したもの

なぜ日本にGoogleが生まれないか? 東大の坂村教授が指摘する日本企業に欠如したもの

日本の社会の特徴として“オペレーション”の部分はうまいんだけど、“マネージメント”の部分が弱いというのを感じていました。つまり、1回決まってしまったプロセスをきっちりと運用していいモノを作っていくのは得意だけれど、“技術戦略”の部分、つまり、自分たちが持っているテクノロジーをどう有効利用して戦っていくかとか、そもそも自分たちがどういう力を持っているのかを分析したうえで、具体的なアクションを起すことには慣れていないんですね。だから、日本ではGoogleみたいな会社が生まれてこない。

Googleがやってるのは、まさに“情報分析” そのものじゃないですか。検索エンジンを駆使して大量の情報を分析する。最近では“テキスト”以外にも“画像”や“音楽”、“地図”(マップ)、“衛星写真”(アース)などさまざまなメディアに方向を広げ、相互に連携させている。そうすることで、Googleはさらに巨大な分析ツールに進化しているわけです。

1人じゃできないことを何人かの人間で分担するためには、制度を決めなければどうしようもなくなる。日本人は組織内ではなんとなく協調できてしまうから、逆にそういう組織間の“制度づくり”が不得意です。法律ひとつとっても、いま多くの時間が費やされているのは、今の法律を理解して、それと矛盾なくどう照らし合わせるかという部分ばかりでしょ? 一方で新しい法律とか制度を作るためには、何をやりたいかが明確にならないとダメなんですよね。