公務員人件費削減について

続:官僚の退職者続出にて官僚の仕事について考えてみたが、その続きとして経済財政諮問会議で現在検討されている公務員人件費削減の話題を扱っているので、それについても触れておこうと思う。
今年度の第一回諮問会議において総務大臣の麻生氏が以下のように述べている。

GDPに占めるいわゆる一般政府の職員の人件費の割合というのは、日本はG5の国では最低の6.8%。フランスの13.5%、アメリカの9.7%、ドイツの8.0%、イギリスの7.4%というのが実態であるということも、頭に入れておいていただきたい。日本だけが非常に多いという印象を持っておられたら、それは間違っている。
人口1,000人当たりの公的部門に占める職員数の国際比較についても、日本の35人、フランスの96人、アメリカの80人、ドイツの58人、イギリスの73人。軍人の数が多いと思われるかもしれないが、軍人は、アメリカは7.4人、フランスは7.9人となっており、それを引いても日本は低いということを頭に入れていただかないと、日本だけが非常に高いということではないというのが第一点。
2つ目は、牛尾議員御指摘の国と地方との人件費の格差について、地方公務員の給与は国家公務員の給与に準じることになっているという点をきちんと認識していただきたい。地方では、既にラスパイレス指数100を切って、低いところで74.9とか、80台というのがある。地方は国家公務員に準じるという大前提が、8割以下になってくると、これは準じているとはとても言えないということになる。このように、法律自体から検討しないといけないので、人事院等国の動向を踏まえて対応しないとなかなか難しいというのが率直な実感である。

また、第三回諮問会議において再び麻生氏は、

資料1枚目の下から3行目、「公務員の人件費」という言葉があるが、何回も申し上げているので、よくおわかりの上で言っておられるのだと思うが、公務員の人件費については、日本の場合、公務員は基本的にはいわゆる労働基本権が制約されているので、その代償措置として、人事院制度がある。この人事院制度を無視するというのはできない。
それから、公務員の中には地方公務員も入ると思うが、地方公務員は既にラスパイレス指数が97.9 だと思うが、低いところでは74 とか、84 とかというのが幾つもあるので、約3,000 ある団体のうち、1,405 団体は給与カットなどを行っており、また9割の団体は既に指数100 を切っている。そういった意味では、こちらの話とかかわってくるので、なかなか難しいということだけ頭に入れておいていただきたい。
それから、地域における国家公務員給与の在り方という話がよく出てくるが、この点については、人事院が検討しており、今年の8月に勧告がなされるのではないかと思っている。そういった形で今この種の話を進めさせていただいている。
その他いろいろ出てきている大阪市などの特殊勤務手当は、昨年調査をしろといって、12 月に公表したので、一斉に話ができるようになった。そういった世論やら何やら、いろんな形でいい意味で風が吹いていると思っている。ただ、重ねて申し上げるが、人事院のところだけは法律が関わってくることになるので、ぜひ御記憶に置いていただきたい。

麻生氏が再三述べているように、日本の公務員を減らせ、給料も減らせ、と言われているが、海外に比べて非常に人数も少なく、また決して給料も高いと言うわけではない。むしろ人数的には仕事量と比較して少ないほうではないか。
まぁ、一部の腐敗した官僚の行動、あるいは天下りのニュースを見ると、税金の無駄遣いだから公務員を減らし、給料も減らせ、という声がでてくるのは分るが、それにより残りの官僚の仕事量は増え、そして給料も少ない、という最悪の労働環境が生じてくる。
これじゃあ、公務員が辞めてしまうのも無理ないなぁ・・・。

正直公務員の人件費なんかより、削減すべきところがあると思うが、どうやら削減することへの圧力の少ないところから減らしているようである・・・。