虐殺器官

虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)

虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)

読了。大変面白かった。近未来社会に対する想像力と創造力が到る所に発揮されていて、虐殺の器官(あるいは文法)をめぐる主人公の葛藤はこれまで読んできたSF本にはない新しいもので、知的好奇心を刺激させられた。「ダーウィンの悪夢」など最近の話題のネタなども盛り込まれており、国際政治という観点からも楽しめる本。

自由とは、選ぶことができるということだ。できることの可能性を捨てて、それを「わたし」の名のもとに選択するということだ。(p.252)