今年の10冊

毎年恒例?ということで「今年の10冊」を以下あげておきます。

マイクロソフトでは出会えなかった天職 僕はこうして社会起業家になった

マイクロソフトでは出会えなかった天職 僕はこうして社会起業家になった

本当にやりたいと信じて、それをやり遂げるために何が必要なのか。この本にはそれが何であるかを書いています。本当に心動かされる熱い本で、自分と同世代の人と是非共有したいと思った本。
計算不可能性を設計する―ITアーキテクトの未来への挑戦 (That’s Japan)

計算不可能性を設計する―ITアーキテクトの未来への挑戦 (That’s Japan)

自分がこれまで読んだ宮台本の中で最も共感できた本。これは恐らく宮台氏というよりも神成氏に共感を持っているということかもしれませんが、ITが社会にもたらす(もたらしている)ものについて分かりやすくまとめられている対談本であると思う。そしてそれと同時に重要な論点をいくつも提示されていて、単なる読み流しタイプの対談本ではい。おそらく神成氏という人材を表に出してくれた宮台氏に感謝。
ウィキノミクス

ウィキノミクス

もはや「ウィキノミクス」は今年のキーワードの一つともいえるのではないでしょうか。議論そのものはすでにこれまで論じられてきたものでありますが、それを整理して、事例集としてまとめているところが、本書の良いところなのだと思います。一つの指針として今後も使えそうです。
暗号解読(上) (新潮文庫)

暗号解読(上) (新潮文庫)

暗号解読 下巻 (新潮文庫 シ 37-3)

暗号解読 下巻 (新潮文庫 シ 37-3)

昨年もシンの文庫を今年の10冊に選びましたが、今年も暗号解読が文庫化されたので、それを期に購入しました。
やはり面白い!!!
本当にシンが扱うものは難しいテーマなのに、分かりやすくかつ読者を引き込ませる文章となっています。

セキュリティはなぜやぶられたのか

セキュリティはなぜやぶられたのか

セキュリティの専門家シュナイアーによるセキュリティ入門書。自分は行政学のバックグラウンドしかないので、それと関連づけて読んだが、行政管理論としても読むとこれがまた大変面白い。行政管理系授業のサブテキストとして指定したいくらい。セキュリティとだけ聞くと一見かなり技術的な話に思いますが、中身は社会の生きていくうえで必要となる考え方だと思いました。

獄中記

獄中記

ちょうど一年くらい前に購入して、年初に読んでいた。佐藤優が獄中にいたときに読んだ膨大な本のメモ。実際のメモの内容というよりも、獄中の際の些細な出来事の記録や過去の思い出などを書き残しているところが非常に印象的。これほど獄中で思索を深められるのかと驚きました。そして、それだけ印象的なフレーズが多々書き残されています。

走ることについて語るときに僕の語ること

走ることについて語るときに僕の語ること

村上春樹はここ数年まったく読んでいないのですが、たまたま自分も走るのが好きだったので、それについて村上春樹がどのように語っているのかと興味を持って、購入。やはり文章がうまいだけに読んでいて爽快感があるし、走り続けるということに対してこのような表現方法があるのかと思った。この本を読むと自分もまた走りたくなる、そんな本です。

名著誕生2 ダーウィンの『種の起源』

名著誕生2 ダーウィンの『種の起源』

茂木さんが頻繁に「俺はダーウィンのような仕事をしたい」と言っていますが、実際にダーウィンの本を読んだことがある人は少ないらしく、自分も原著を読むのはためらっていたのですが、たまたま新しくシリーズ化された名著誕生の一つとして種の起源が取り上げられていたので、購入。ダーウィンの生きた時代背景をもとにダーウィンがどのように種の起源の考え方を深めていったのかが書かれており、種の起源がいかに当時斬新なアイデアであったのかが良く変わる。文章の訳も長谷川さんが担当しており、こなれていて面白い。原著から入るのはという自分のような小心者には大変良い入門書です。

いつまでもデブと思うなよ (新潮新書)

いつまでもデブと思うなよ (新潮新書)

本書についてはもはや何も書かなくても良いと思いますが、自分にとってもいわゆるダイエット本だけでなく、自分の生活スタイルそのものについて考え方を改めさせられました。

自省録 (岩波文庫)

自省録 (岩波文庫)

政治家であり哲学者でもあった、マルクスアウレリウスの本。大変刺激的なメッセージがたくさんあって、今後も何度も読み直したい本です。
最後に、本書から印象的なものをご紹介して、今年の10冊の紹介を終わりたいと思います。

【第10巻 11】
万物はいかにして互いに変化し合うか。これを観察する方法を自分のものにし、絶えざる注意をもってこの分野における習練を積むがよい。実にこれほど精神を偉大にするものはないのである。このような人は肉体を脱ぎ捨ててしまう。しかして間もなくあらゆるものを離れて人間の間から去っていかねばならないことを思うから、自分の行動については正義にまったく身を委ね、その他自分の身に起こってくる事柄については宇宙の自然に身を委ねる。他人が彼についてなにをいい、何を考えるか、また彼に対してなにをなすか、などということは心に思い浮かべさえしない。彼はつぎの二つのことで満足している。すなわち現在の行動を正しく果たすこと、および現在自分に分け与えられているものを愛することである。彼はあらゆる心労や野心を捨てる。そして法律に従ってまっすぐな道を歩みとおし、まっすぐに歩むことによって神に従うこと以外に何ものをも望まないのである。